前回、前々回と夏のキャンプシーズン到来の前にキャンプに必携のアイテムである「クーラーボックス」と「クーラーバッグ」を紹介しました。
クーラーボックスの性能としてはやはり「保冷力」が最大のキーになるわけですが世の中には様々な「クーラーボックス」が販売されています。
クーラーボックス専用ブランドからは勿論のこと、アウトドア用品ブランドや釣り具ブランドなど各社から多種多様な商品がリリースされていますよね。
その中でもここ数年、重量や価格を度外視した究極の保冷性能を追求した「プレミアムクーラーボックス」が発売されて注目されています。
今回はそんな究極の保冷性能を追求した、保冷力最強のおすすめクーラーボックスたちを紹介したいと思います。
【YETI(イエティ) タンドラ】
保冷力最強といえばまず思い浮かべるのがアメリカの新鋭ブランドである「YETI COOLERS(イエティクーラーズ)」、2006年にスタートしたプレミアムクーラーボックスを開発する会社で近年のブームとなっている高耐久で最強保冷力をもつ性能重視のプレミアムハードクーラーの火付け役ともいえます。
YETI COOLERS の妥協なき性能へのこだわりは耐久性と想像以上のパフォーマンスを発揮し、プロのハンターやフィッシャーからの厚い信頼を勝ち取り人気ブランドとなりました、そのイエティクーラーズのフラッグシップモデルがこの[タンドラ]です。
プレミアムなその頑丈さの理由は、繋ぎ目のないワンピース構造と圧力注入された厚さ5cmもの分厚い断熱材入りのボディで「熊が壊そうとしても壊れない」「断崖絶壁から落としても壊れない」屋外で毎日使い続けても壊れる事のない、プロのハンターやフィッシャーにとっても信頼できるアイテムなのです。
日本のアウトドア環境でそんな頑丈なクーラーボックスが果たして必要なのか?など議論する必要なく、良いものは良い、最上級のモノを持ちたい拘り派の物欲を刺激するのに十分な理由のある「プレミアムクーラーボックス」なのではないでしょうか。
肝心な保冷性能については「最長で7日間は氷が融けない」ということ、”最長”でという文言が気になりますが通常のキャンプで使用するのであれば3日も持ってくれれば万々歳なので文句なしの保冷力といえます。
【PELICAN(ペリカン) エリートクーラー】
樹脂製ハードケース世界No.1ブランドであるアメリカのPELICAN社から発売された樹脂製のクーラーボックス[エリートクーラー]、数年前に後発ながら業務用クーラーボックスとして最強保冷力を謳い文句にグリズリー社とイエティ社の君臨するプレミアムクーラーボックス業界に一石を投じたような印象があります。
樹脂製ハードケースの実績を基に開発されたクーラーボックスは、約60mmの高機能ポリウレタン材と冷凍庫仕様のガスケットを使用して、他の有名ブランドクーラーの保冷記録を凌ぐその最強の保冷力は「32度の高温環境下でも氷を入れての保冷日数はなんと7~10日以上!!」という驚異のハイスペックです。
アメリカンで大味な商品かと思いきや
・上下に可動する大型の樹脂製ハンドルで持ちやすく
・手袋をはめたままで開閉できる大型のラッチ
・セキュリティを考慮し南京錠でロック可能
その他にもシーンにより使い勝手に配慮されたカユイところに手の届くアメリカ製らしくない使い勝手の良いクーラーボックスです。(失礼)
【IGLOO(イグルー) マックスコールド】
クーラーボックスでは世界的ブランドである「イグルー」のクーラーボックス、イグルーはコールマンと同じアメリカの有名ブランドでアメリカではシェアNo.1を誇ります。
ブランド力と性能がありながら比較的リーズナブルに入手できることと様々なスタイルのクーラーボックスのラインナップがあり日本でも人気があります。
その「イグルー」の保冷力最強モデルである[マックスコールド]、名前からして保冷材無しでも冷えそうですよね。
カタログスペックでは「ボックス内の氷を6日間保つことができる」という保冷性能は見ものですが、蓋の構造が外れやすく冷気が逃げやすいので注意が必要です。
【IGLOO(イグルー) ユーコン】
イグルーからはもう一機種同社の保冷力最強機種である[ユーコン]を紹介します、イグルーのリーズナブルな価格帯の商品たちとは一線を画すプレミアムなクーラーボックスです。
内部の冷気を閉じ込める、冷凍庫スタイルのガスケットシール採用し、6方向断熱材で「ボックス内の氷を7日間保つことができる」プロハンター向けの最高峰モデルです。
ゴツゴツとしたデザインはアメリカンな感じですが、この価格帯のクーラーボックスには珍しくホイール付きのラインナップもありますのでホイール付きが選定の必須条件の場合は選択肢となりますね。
【Coleman(コールマン) エスキー55QT】
アメリカのアウトドアブランドの老舗である「コールマン」からはいくつものファッショナブルなクーラーボックスが発売されていますが、この[エスキー55QT]はファッション性よりも保冷性を追求したコールマン最強のクーラーボックスです。
基本コールマンのアウトドア用品は性能よりもファッション性を重視してデザインされているイメージがありますが(個人的な見解です)、このエスキーは妥協せずに性能を追求したコールマン史上最高の保冷力を実現しています。
そのコールマンの妥協しない最高の保冷力は「ボックス内の氷を6~11日間保つことができる」(容量により差があり)となっております。
コールマンの保冷力性能については次のような独自規格で検証していると同社サイトに記載があります。
<コールマン保冷能力検査について>
2.温度計をクーラーの中の底にセットし1QTあたり0.34kgの氷を入れる(氷の温度は-12℃以下から始まるようにする)
3.クーラー内部の温度が10℃になるまでを計測、その時点での時間を保冷可能日数とする。
この調査は各社独自の基準で実施していますがほぼ同じような条件となっているようです。
【スノーピーク ハードロッククーラー】
日本のアウトドア用品人気ブランドであるスノーピークの保冷力最強なクーラーボックスはこの[ハードロッククーラー]、実は極厚クーラーの先駆者「グリズリー社」とのコラボレーション商品で保冷性能と堅牢さはお墨付きです。
日本でグリズリー社のクーラーボックスを入手することは困難なのでスノーピークブランドでこの商品が入手できるようになったことはマニアにとっては喜ばしいところです。
ボックスサイズが比較的小型のものからラインナップされていますのでアメリカンサイズは必要としない日本のアウトドア愛好家達にも受け入れられそうです。
グリズリー社のハードクーラーということで頑丈さは「車で踏んづけても壊れない」ほど文句無しなのですが、肝心の保冷性能は、、、まさかの記載なし・・・。残念ながらスペック不明でした。
ただ、本場アメリカのAmazonサイトでのグリズリー社の商品レビューを見る限りでは保冷性能は問題なく素晴らしいといえそうですが価格がそれなりなので、つ「人柱」の覚悟で試すのも勇気がいりますね。
「クーラーボックス」といえばキャンプなどのレジャー向けアウトドア用品ですが釣り具ブランドの各社からもプレミアムな保冷性能の商品が存在します。
日本の釣り具ブランドといえば「シマノ」「ダイワ」「リョービ」あたりが代表的なところです、釣り具用の「クーラーボックス」は釣り人が担いで運んだり、イスとして使ったりとキャンプ用品とは少し違ったニーズがあります。
そこで特徴的には「ひとりで担げるほど軽い」「イスとして使えるほど頑丈」であることが求められます、「軽くて頑丈」という条件をクリアするために断熱は必然的に真空断熱となりコストが余計に掛かってしまいますが、保冷性能と軽さと頑丈さをバランスよく追及した商品となります。
【シマノ フィクセル プレミアム 300】
釣り具メーカーの「シマノ」の真空パネルを採用した大容量な[フィクセル・プレミアム 300]、釣り用クーラーとしては30Lの 大容量で余裕の収納力を誇ります。
シマノのクーラーボックスは蓋の開閉が左右どちらからでもワンアクションでできるようになっています、取り外しも可能でフルオープンにできる上に手を離すだけでロックがかかる自動ロック機構となっており釣り人にとって使い勝手が良いように設計されています。
肝心な保冷性能は6面真空パネルで上面、側面、底面の6面全面に真空パネルを採用し、シマノ独自規格の[I-CE90h]と、シマノ最高峰の保冷力をほこるグレードです。
<I-CE90hとは?>
【ダイワ プロバイザー】
釣り具メーカーと言えば国内でもうひとつの総合メーカーである「ダイワ」からも軽量・高保冷力を謳う「クーラーボックス」が発売されています。
[プロバイザー]は、やはり釣り具メーカの商品らしく蓋の開閉や軽さに工夫された商品で、左右両開きやワンタッチロックなどに加え、釣った魚を素早く投入できる天窓もついています。
最上級グレードの[ZSS-xx00X](xxは容量)は6面真空パネルで保冷力はダイワの規格で「24時間経過後に残氷率50%以上」となっており5段階評価中の4で1.5泊のアウトドアでの使用が推奨されています。
因みにダイワのクーラー評価で保冷力最強はレジャー用の[ライトトランク IV]の[VSS 3000RJ]で5段階評価中5の最高評価となっており「24時間経過後に残氷率65%以上」で遠征に使えるクーラーボックスとなっています。
【関東冷熱工業 KRクールボックス】
アウトドアブランドでもなく、釣り具ブランドでもなく、クーラーボックス専用ブランドでもない、硬質ウレタン発泡注入成型メーカーである「関東冷熱工業」のクーラーボックスです。
このクールボックスはアウトドア用クーラーボックスというよりは完全に「業務用保冷ボックス」や「防災用冷蔵庫」です、外観も冷蔵庫そのもので電源のないところで商売するためのツールですね。
・Amazonで 関東冷熱工業 KRクールボックス を探す。
・楽天市場で 関東冷熱工業 KRクールボックス の最安値を探す。
【Dometic (ドメティック) ポータブル3WAY冷蔵庫】
最後に番外編で「クーラーボックス」ではありませんが、冷却保存するということでは最強なポータブル冷蔵庫、スウェーデンのクール機器専門メーカー Dometic(ドメティック)製の「ポータブル3WAY冷蔵庫」を紹介します。
冷蔵庫をアウトドアに持っていくなんて、と思われるかもしれませんが実際にキャンプで使用している猛者もいるんです。
[商品スペック]
サイズ:本体/W500×D440×H440mm、庫内/W410×D220×H340mm(冷却器の突起部分含まず)
本体重量:16kg
素材・材質:塩ビ樹脂鋼板
容量:33L
電源:AC100V 50/60Hz、DC12V、カセットガス
定格消費電力:AC100V/75W、DC12V/75W
ガス消費量:10.5g/h(カセットガス(250g)1本で約24時間)
コードの長さ:AC100V/1.8m、DC12V/2.3m
収納本数:ペットボトル1.5L/9本、2L/8本(ボトル形状により変わります)
上開きのドアではありますが、その容姿はまさに「冷蔵庫」(実際冷蔵庫なんですが・・・)アウトドアで電源が確保できない場所でも冷蔵庫が使えるなんて凄いと思いませんか?
電源は家庭用電源のAC100Vと自動車のシガーソケット用DC12V、そしてなんといっても電源が無い場所でもカセットガスを使えば冷却できてしまうところが素晴らしい。
カセットガス(250g)1本で24時間も使えるという燃費の良さも魅力的です。
冷蔵庫ですがコンプレッサーがなく無音なのでキャンプ場でもお隣さんに気兼ねなく堂々と使えるところもポイントです。
これがあればカセットガスだけで保冷材も電源も必要ないので何泊でもできます、日本一周車で放浪旅行なんかにピッタリです、できませんが。(笑)
というわけで、実はアウトドアでも最高に使える[ドメティックのポータブル3WAY冷蔵庫]でした。
保冷力最強の「ハードクーラーボックス」をいくつか紹介しました。クーラーボックスの保冷力は各社基準が統一されていないので単純に比較することはできません。
やはり実際に入手して比較するのがベストですが、このグレードになると趣味のためとはいえ易々と購入できる人は少ないでしょう。
クーラーボックスという道具はアウトドア用品の中でも拘りのあるアイテムでもありますので保冷性能だけでなく、デザインや使い易さも総合的に見て、是非お気に入りの「プレミアムクーラーボックス」を見つけてくださいね。
でもやはり気になるのは最後に紹介した[ドメティックのポータブル3WAY冷蔵庫]、日本の環境であればグリズリー(ヒグマ)に襲われる心配もないしキャンプであれば風通しの良い日陰に置いて使うので堅牢さもさほど必要ない、釣りではなくキャンプ用途で、機能だけ考慮するのであればポータブル冷蔵庫が至高のアイテムであると思います。「防災を考慮して・・・」を口実に是非入手したいと思います。(`・ω・´)キリッ