かつて強烈な明るさを求めた懐中電灯は「ハロゲン」や「クセノン(キセノン)」などのガスを封入した電球を使い、単1形乾電池をいくつも使った大型で重量のある商品ばかりでした。
しかし照明用LED素子の登場により、小さな乾電池でも必要とされる十分な明るさを発揮できるようになり、手のひらに収まるようなハンディタイプのフラッシュライトでもとても明るいものが登場してきました。
最近では単4形乾電池数個のみで、300ルーメン以上もの明るさを発揮するパワフルなフラッシュライトまで登場しています。
LEDフラッシュライト(懐中電灯)の「明るさ」を示すスペック表記としては「ルーメン(lm)」という単位が一般的となっています。
これはLEDフラッシュライト(懐中電灯)に限らず、家庭用のLED照明などのLED照明商品全般で採用されている単位となっており、
「単位時間あたりに放射される光の量」
というように定義されています。つまり発光する側の明るさを表した単位ですね。
昨今、家庭用の照明でもLED電球が普及してきていますので、なんとなく明るさのイメージができるという人もいるかもしれません。
300ルーメンクラスというとだいたい25~30ワット相当の電球と同等といわれています。家庭でいえばリビングの明るい照明ではなく、玄関やバスルーム、トイレなどの補助的な照明といったイメージでしょうか。
ハンディタイプのフラッシュライトとしては十分過ぎるほどに明るいスペックだといえます。
光源となるLED素子の技術革新により、小さな乾電池でも十分な明るさを発揮する、低消費電力で小さく軽いフラッシュライトが登場してきたというわけです。
フラッシュライトは夜の暗闇で手に持って使うものですから、女性や子供でも扱いやすいような、小さく軽くて明るい商品が好まれる傾向にあります。
コンパクトで軽く(200g以下)使い勝手に優れた、乾電池で使える「ハンディタイプ」のフラッシュライトで、定番ともいえるベストアイテムにはどのような商品があるのでしょうか。
【ジェントス 閃 SG-325】
[商品スペック]
明るさ:150ルーメン
光源タイプ:高輝度チップタイプ白色LED
照射距離:最大約138m
稼働時間:約10時間
使用電池:単4×3本使用
本体サイズ:φ29×104㎜
重量:102g(電池込み)
機能:フォーカスコントロール、防滴仕様、エネループ使用可能
LEDフラッシュライトといえば定番であるジェントスの「閃シリーズ」。中でも「閃 SG-325」は、シリーズ中でもダントツで高い人気があります。
明るさはやや控えめな150ルーメンですが、電池込みでも重量がわずか100グラム程度しかないという軽量な本体。
なによりもハンディタイプのフラッシュライトとしては十分に明るく、その使い易さから人気商品となっています。
直径が約3cm、全長約10cmと手のひらに収まる小さなハンディライトでもフォーカスコントロール機能がついており、照射距離が約138mと遠くまで届きますので周囲に灯りのないキャンプ場などの暗闇でも頼もしい見方となってくれますね。
小さくて明るく使い勝手の良いジェントス「閃シリーズ」の優等生フラッシュライトです。
【ジェントス 閃 SG-355B】
[商品スペック]
明るさ:100ルーメン
光源タイプ:高輝度チップタイプ白色LED
照射距離:最大約100m
稼働時間:点灯約10時間/点滅約22時間
使用電池:単4×3本使用
本体サイズ:φ29×104㎜
重量:102g(電池込み)
機能:フォーカスコントロール、防滴仕様、エネループ使用可能、パイプホルダー付き
この商品もジェントスを代表する「閃シリーズ」の人気商品です。外形サイズや重量はほぼ同じですが、明るさはやや控えめな100ルーメンとなっています。
先程の「SG-325」は旧形式の販売終了品で入手できるのは市場在庫のみとなっていますが、こちらは現行機種となっていますので入手ルートの心配はありません。(2017年8月現在)
パイプホルダーが標準で付属していますし点滅モードも搭載されていますので、自転車での使用を意識した商品となっていますが、勿論普段使いのフラッシュライトとしても機能充分で使えます。
【ジェントス ネクセラ NEX-901D】
[商品スペック]
明るさ:180ルーメン(Highモード)
光源タイプ:高輝度チップタイプ白色LED
照射距離:最大約105m
稼働時間:8時間(Highモード)/55時間(Ecoモード)/35時間(クイックフラッシュモード)
使用電池:単4×3本使用
本体サイズ:φ33×121mm
重量:145g(電池込み)
機能:フォーカスコントロール、防滴仕様、エネループ使用可能
このジェントス「ネクセラシリーズ」も旧形式の販売終了品となってしまいましたが、乾電池が使えるハンディタイプのフラッシュライトとしては人気のあるシリーズです。
閃シリーズよりも重量感のあるガッチリとした2層構造のアルミボディで、当然のことながらアウトドアでも安心の防滴仕様となっています。気密性が高いため古いエネループを使用すると内部でガスが発生し壊れることもありますので注意が必要です。
最上位機種の「NEX-909D」では単3電池6本必要となり、重量も430gと重くなりますが600ルーメンもの明るさを発揮します。
ジェントス好きならば、ひとつは所有しておきたいシリーズではありますね。
【レッドレンザー P7.2 OPT-9407】
[商品スペック]
明るさ:約320ルーメン
光源タイプ:パワーチップ型LED×1灯
照射距離:約260m
稼働時間:ブーストモード/約2時間、パワーモード/約4時間、エコノミーモード/約50時間
使用電池:単4形アルカリ電池×4本
本体サイズ:約直径37×130mm
重量:約175g(電池含む)
照射モード:ブーストモード点灯(130%)、パワーモード点灯(100%)、エコノミーモード点灯(15%)
レッドレンザーはドイツのフラッシュライト・ヘッドランプの専門メーカーであるツヴァイブルダー・オプトエレクトロニクス社のLEDライトブランド。
今では世界各地に拠点を置くグローバル企業へと成長しているLEDフラッシュライトの草分け的存在です。
レッドレンザーのベストセラーフラッシュライトである「P7.2 OPT-9407」は、単4型の乾電池を電源としながら320ルーメンもの明るさを発揮します。
ハンディタイプの使い勝手の良いフラッシュライトで、価格帯はやや高めですが、性能と使い易さを考えれば納得のいく商品です。
前身モデルであるP7は全世界でベストセラーとなったフラッシュライト。そのP7を軽量化し、さらに明るさをアップした後継機がこのP7.2です。
レッドレンザーのフォーカスシステムの長所は、ワイドでもスポットでもムラのない均一な光でフォーカスによる影をつくりません。
単4形乾電池4本使用で重量が175gとハンディタイプとしてはやや重量を感じますが、明るさとハイクオリティな光を考えれば総合的に見てバランスの取れた納得のできる商品です。
【レッドレンザー L7 OPT-7008TG】
[商品スペック]
明るさ:約115ルーメン
光源タイプ:パワーチップ型LED×1灯
照射距離:約225m
稼働時間:約42時間
使用電池:単4形アルカリ電池×3本
本体サイズ:約直径39.5×133mm
重量:約142g(電池含む)
レッドレンザーのシリーズの中では廉価版といった位置付けの比較的手の出しやすい価格帯のモデルです。
明るさは控えめな115ルーメンですが照射距離は必要充分な225mとハイパワー。本体はアルミボディではなくポリカーボネート製で少しチープさは感じますがこれにより軽量化されています。
実用稼働時間は42時間とスペック表記してありますが、レッドレンザーの点灯時間基準は「最小の明るさで1ルーメンになるまで」と決まっており、実用的な明るさはスペック表記どおりの稼働時間とはいかないかもしれません。
とはいえ、十分に軽く明るく長時間使えるレッドレンザーの入門用フラッシュライト。普段使いのハンディフラッシュライトとして検討してみてはいかがでしょうか。
【レッドレンザー T7M OPT-9807-M】
[商品スペック]
明るさ:MAX400ルーメン
光源タイプ:パワーチップ型LED×1灯
照射距離:約280m
稼働時間:最大35時間
使用電池:単4形アルカリ電池×4本
本体サイズ:37mm×29.7mm×131mm
重量:約180g (電池含)
レッドレンザーのT7Mはブーストモードで最大400ルーメンもの明るさとなるハイパワーなハンディタイプのフラッシュライトです。電池を含めても200gを切るボディで、単4電池4本でこの明るさは特筆ものですね。
ボディは頑丈なアルミの金属製でテール部に「ガラスクラッシャー」がついているなど、警察官や消防士なども使えるプロ仕様なフラッシュライトで、SOS点滅で非常を知らせる機能やストロボ点滅なども搭載しています。
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フラッシュライトの分野では、価格面で有利な中華ライトも台頭してきましたが、やはり「ジェントス」と「レッドレンザー」は品質が安定しており根強い人気があります。
今回は分類として「電池を含めた重量が200g以下」で「乾電池で使用できる」「100ルーメン以上の明るさの」「ハンディタイプのフラッシュライト」を見てみました。
このサイズでこの重量であれば女性や子供でも軽々と携帯できます、普段使いや自転車のライト、また、アウトドア用や防災用に、様々な使い方ができる便利なフラッシュライトですね。