ジェントスのエクスプローラーにそっくりなLEDランタンたち

LEDランタンといえば、今やパイオニア的存在の「ジェントス」。

その歴史は、1978年に設立された「株式会社サンジェルマン」から始まっています。

設立当初は時計付きのライターなどの珍しい小物を輸入販売する商社でしたが、2000年代になると他社に先駆けていち早くLEDフラッシュライトの草分けである「LED Lenser」の商品を販売開始し、以後「LEDフラッシュライト」「LEDヘッドライト」「LEDワークライト」「LEDランタン」と自社ブランドも含めたLED商品を展開していきます。

2011年の東日本大震災の時にはベストセラー商品の「EX-777XP」が品薄となり、通販サイトで物凄い高額で販売されていたのも記憶に残るところです。

2013年に「株式会社サンジェルマン」から、現在の「GENTOS(ジェントス)株式会社」へと社名を変更し、今ではLED商品と言えば「ジェントス」といえるほどのブランド力を確立しています。

そのジェントスのベストセラーLEDランタンといえば文句なしのエクスプローラーシリーズの「EX-777XP」です。

明るさ良し、スタミナ良し、使い勝手良しと3拍子揃った優等生LEDランタン。

しかし最近では、そのジェントス製品にあこがれて、模倣品といいますか必然的に似てしまったのか偶然似たのか真相は判りませんが、よく似た商品を見かけるようになりました。

模倣品メーカーサイドとすれば、似たような機能で少しでも安ければ2番煎じでなく1番の座を奪えるのではないかと目論んでいるのかもしれませんが、やはり自社開発した本物はどこか違うものです。

今回は趣向を変えて、キングオブLEDランタンと呼んでも過言ではないジェントスのエクスプローラーシリーズに、なぜか似てしまった商品を紹介してみます。

もしかしたら、この中からオリジナル商品で勝負できる第2のジェントスが登場する日も来るかもしれません。

【illumica IT-L300】

illumica IT-L300

[IT-L300商品スペック]
明るさ:300ルーメン
光源タイプ:高輝度チップタイプ白色LED
稼働時間:Highモード3日間 Lowモード6日間
使用電池:単1×3本使用
本体サイズ:500mlペットボトルくらいの高さ
重量:不明
保護等級:防滴仕様
ブランドサイト:illumica

illumica(イルミカ)LEDランタンは株式会社イルミカ東京の展開するLED専門店のオリジナルブランドです、楽天とAmazonとYahoo!ショッピングなどで販売しています。

商品の詳細なスペックの記載がなくサイズや重量が判らない商品、見た目は[EX-777XP]にそっくりで違いといえばLED素子が暖色ではなく白色になっているくらいです。

機能的には明るさが[EX-777XP]を僅かに上回る300ルーメンで点灯時間はほぼ同じ、使用電池はサイズも数も同じ、白熱電球スタイルも同じで本体認識表示灯も同じ、スペック的な違いはLED素子の色と明るさ位ですがギラギラした白色よりも暖色系の方が好きな人はやめておいた方が良いでしょう。

illumica IT-L300

東京神奈川で行政に採用された実績を表記していますが、Amazonのレビューを見ると初期不良が結構あるようで指摘されており、価格的には本家よりも安いがいざ災害時に使えないものがありはしないかと心配になります、災害時こそ品質管理のしっかりした安心な商品を選択したいものです。

【BeryKoKo Berykoko-0226】

BeryKoKo Berykoko-0226

[Berykoko-0226商品スペック]
明るさ:600/300ルーメン(2種あり)
光源タイプ:高輝度チップタイプLED昼光色/昼白色(2種あり)
稼働時間(600ルーメンモデル):Highモード125時間 Lowモード250時間
    (300ルーメンモデル):Highモード78時間 Lowモード144時間
使用電池(600ルーメンモデル):単1×6本使用
    (300ルーメンモデル):単1×3本使用
本体サイズ:不明
重量:不明
保護等級:防滴仕様
ブランドサイト:BeryKoKo

BeryKoKoは 株式会社DCT COMPANY 77 のオリジナルブランドでスポーツ用品や生活雑貨、パソコン関連商品などを販売する会社ですね。

600ルーメンモデルと300ルーメンモデルの2種類があり、光源も昼白色と昼光色の2種類があり選択できます、600ルーメンモデルはジェントスの[SOL-016B]相当、300ルーメンモデルは[EX-777XP]相当と考えられます。

600ルーメンモデルは[SOL-016B]というよりは[EX-777XP]を大型化したような機能で、キャンドルモードがなく、代わりに点滅モードとなっています。

ショップサイトでは在庫が記事作成時点で600ルーメンモデルの昼光色しか選択肢がなく、300ルーメンモデルは入手不可能となっています。

こちらの商品もイルミカ同様、公的機関での防災用照明としての採用をアピールしてますね、公的機関の採用担当はどのような基準で採用を決めているのか聞いてみたいものです。

【FIELDOOR LEDキャンピングランタン】

FIELDOOR LEDキャンピングランタン

[LEDキャンピングランタン商品スペック]
明るさ:280/400/600ルーメン(3種あり)
光源タイプ:高輝度チップタイプLED電球色/昼光色切替(280ルーメンモデルは電球色のみ)
稼働時間(600ルーメンモデル):昼光色Highモード30時間~電球色Lowモード120時間
    (400ルーメンモデル):昼光色Highモード35時間~電球色Lowモード70時間
    (280ルーメンモデル):Highモード20時間~Lowモード40時間
使用電池(600ルーメンモデル):単1×6本使用
    (400ルーメンモデル):単1×3本使用
    (280ルーメンモデル):単1×3本使用
本体サイズ(600ルーメンモデル):(約)幅135mm×奥行き125mm×高さ240mm
     (400ルーメンモデル):(約)直径90mm×高さ188mm
     (280ルーメンモデル):(約)直径90mm×高さ188mm
重量(600ルーメンモデル):(約)760g(乾電池含まず)
  (400ルーメンモデル):(約)386g(乾電池含まず)
  (280ルーメンモデル):(約)386g(乾電池含まず)
保護等級:防滴仕様
ブランドサイト:FIELDOOR

FIELDOOR は 有限会社リツコ が展開するアウトドアブランドでタープ・テントやテーブルなどキャンプ用品を中心に商品展開しています。テントやチェアーなどを見ると某ブランドにソックリと思える商品が多々ありますので製造元に交渉してOEM供給でもしてもらっているのでしょうか?

そっくりさんな商品を本家よりも安価に販売していますのでユーザーとしてはそこにメリットを感じて購入しているような印象を受けます、ブランドに拘りのない人にとっては価格は最大の判断材料になりますからね。

そんな FIELDOOR のLEDランタンはやはりジェントスのそっくりさんです(笑)、280ルーメンから600ルーメンのモデルまで3機種がありますが280・400ルーメンの NORMAL TYPE は[EX-777XP]サイズで機能的にも同等、本体認識表示灯まで同じですが唯一決定的に違うのがCREE社のLED素子を使っていますので光の色合いが暖色よりも白っぽくなります。

600ルーメンの LARGE TYPE は[SOL-016B]のそっくりさんと言いたいところですがキャンドルモードがないのでこちらは[Berykoko-0226]のそっくりさんでしょうか、そっくりさんのそっくりさんでややこしいですが。

FIELDOOR のLEDランタンはなんといってもコストメリットがあります(2個セット売りしていて販売サイトによってはジェントスの半額程度)のでこれからアウトドアを始める初心者にとっては嬉しいブランドです。

【APRIO TA-61】

【明るさ最大600ルーメン/ハイモード連続点灯最大5日間】 LEDランタン 単一乾電池6本使用 (暖色) 購入特典付

[TA-61商品スペック]
明るさ:600ルーメン
光源タイプ:豊田合成株式会社製表面実装LED×6個 白色/暖色(2種あり)
稼働時間:Highモード120時間
使用電池:単1×6本使用
本体サイズ:240×130×120(mm)
重量:約800g(電池含まず)/約1600g(電池含む)
保護等級:防滴仕様
ブランドサイト:APRIO

APRIO は広島県にあるグローブ有限会社のブランドでLEDを光源としたライトやランタン、ヘッドライトなどを企画・製造する規模は違いますがジェントスのような会社です。

サイズ・重量・明るさスペックはジェントスの[SOL-016B]によく似たLEDランタンですが機能的にはキャンドルモードがなくどちらかというと上の「BeryKoKo」「FIELDOOR」の600ルーメンと近い感じですね。

しかし驚きなのがHighモード(600ルーメン)での連続点灯時間です、120時間(5日間)も持続するとは・・・、謎スペックですがレビューを見ると一部エネループユーザーからは不具合の声が上がっていますが電池ユーザーは明るさも時間も満足している人が多いようなので電池で使う分には問題ないのでしょうね。

【IGNUS IG-T600SR】

IGNUS IG-T600SR

[IG-T600SR商品スペック]
明るさ:620ルーメン
光源タイプ:CREE社製LED素子
稼働時間:Highモード77時間
使用電池:単1×3本使用
本体サイズ:180×85×85(mm)
重量:約398g(電池含まず)
保護等級:防滴仕様
ブランドサイト:Bonds&Bonfires

IGNUS はアメリカ・カリフォルニアに本社がある Bonds&Bonfires が展開するアウトドアブランドでフラッシュライトやヘッドライト・LEDランタンを販売しています。

LEDランタンとしてみるとサイズ的には小さく[EX-777XP]と同程度で電池も単1×3本なのに明るさ620ルーメンの大盤振る舞いです。

CREE社の [XM-L T6] 素子を使っているようなので明るさ的には実力はあるのでしょうが単1電池3本でCREE社のLED素子を7時間も点灯させ続けることができるのでしょうか?

以前このサイトで電池容量について記事を書きましたので引用すると、

※参考記事
LEDランタン・ライトに使う充電式ニッケル水素電池はどれが良いのか?

上記調査結果より単1アルカリ電池の容量が12500~17000(mAh)です、最大の17000であるとします。

CREE社のサイトで [XM-L T6] のデータシートを見ると620ルーメンを発揮するのに約1800(mA)の電流を流す必要があります。その時の順方向電圧Vfは約3.15(V)なのでまあ3(V)とします。

1.5(V)電池3本で51000(mAh)、3(V)に換算すると25500(mAh)、620ルーメンに必要な1800(mA)で割ると約14時間しか持たない計算になります、これは電池のエネルギーを全て使い果たした計算なので実際にはもう少し短くなります。

もしスペックどおり77時間連続点灯しているとすれば、スタート時点では元気に620ルーメン近い明るさで点灯し、その後右肩下がりに暗くなり最後には風前の灯で終了となっているのではないでしょうか、でなければ計算が合わない。

もう少し現実的な控えめな数値をスペック表記してくれれば深く考えずに「結構いいね!」と言えるのですがここまで差があると眉唾ものですね。

単1乾電池3本で620ルーメンが14時間でも十分ハイスペックなので品質が良ければ買いますが、中華ライトは控えめという言葉を知らないのかこのようなスペック表記の商品がたくさんありますので購入時は注意が必要です。

【Lighting EVER LEDランタン】

Lighting EVER LEDランタン

[Lighting EVER LEDランタン商品スペック]
明るさ:1000ルーメン
光源タイプ:昼白色+電球色LED素子
稼働時間:1000ルーメン12時間、700ルーメン18時間、300ルーメン25時間
使用電池:単1×3本使用
本体サイズ:190×100×95(mm)
重量:460g
保護等級:IPX4
ブランドサイト:Lighting EVER

Lighting EVER はLEDバルブやLEDフラッシュライトなど、様々なLED照明商品を販売するブランドです。

進化中のモデルで、300ルーメンから、500ルーメン、1000ルーメンへとモデルチェンジして明るさがアップしてきています。

1000ルーメンLEDランタンとしては破格の値段で販売されていますので、ダメもとでお試し購入してみてもいいのかな?と思えるレベル。

これで使える商品だったらラッキーですね。

【Decaker LEDランタン】

Decaker LEDランタン

[Decaker LEDランタン商品スペック]
明るさ:300ルーメン
光源タイプ:CREE社製LED素子
稼働時間:Highモード72時間 Lowモード144時間
使用電池:単1×3本使用
本体サイズ:188×98×98(mm)
重量:955g(電池含む)
保護等級:不明

Decaker も所謂既出の Lighting EVER と似たような、LED商品で勝負する中華系のブランドでしょうか。

Amazon中心に販売しているようですが本家サイトを探してみても見つからないしよくわからないブランドです。

LEDランタンとしては面発光を採用しているようで面白そうで期待したいのですがもう少し情報が欲しいところです。

せめて日本法人か正規代理店などがあれば安心できるのですが。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

LED商品ブランドは今、雨の後のタケノコのような勢いでどんどん出てきています。

この中でいくつのブランドが勝ち残るのか見守りたいと思いますが、「LEDランタン」や「LEDフラッシュライト」は消耗品の必要が無いので安価で修理の心配も無いような商品であれば試しに購入して見てもたいした痛手にならないと思います。

アウトドア用品ブランドとしてしっかりと認知され、コールマンやジェントスのようにブランド名で選んでもらえるようになるには人気商品のコピーではなくオリジナル商品で勝負しなければ生き残れないと思いますね。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする