モノに触れることなく温度を測定する放射温度計

日常生活の中には、温度を知りたいと思うシーンがよくあります。

気温、水温、体温、お風呂の湯加減や料理の油の温度など、温度を目安にして健康状態を判断したり、快適さ加減を量ったり、料理の目安などにも「温度計」を利用します。

ところで「温度計」は温度を測定するためのセンサーを、対象物に接触させて温度を測定するものが殆どです。

しかし、時に、対象物に触れることなく温度を知りたいということも結構あります、そのようなシーンで活躍するのが「放射温度計」。

「放射温度計」とは、物質の放つ赤外線や可視光線の強度を捉え、対象物の表面温度を表示する特殊な温度計です。

「放射温度計」は、非接触で高速に温度が測定できるという利点を生かして、工業分野や食品業界などで活用されています。

工業分野で使われている高精度な「放射温度計」は、とても高価な測定器なので一般人には手の届かない存在ですが、もう少し精度の低い、ホビー向けの商品もあります。

それらは通販サイトなどで比較的安価に入手できますので、いろいろなものの温度を知りたい、子供の自由研究で使いたい、個人的な趣味で活用してみたい、といった人々に利用されています。

ところで「放射温度計」を選定する上でポイントとなるのはどこでしょうか。

・温度測定範囲

 測定したい対象物や箇所により要求される温度範囲が変わってくると思います。

 低い温度はマイナス30℃くらいから、上限は天ぷらを揚げる油の温度がギリギリ計れる180℃の商品から500℃以上にも対応した商品まであるので、必要な温度範囲を確認して選定すると良いでしょう。

 工業用の製品の中には1000℃以上の温度に対応した商品も存在しますが、ホビー用途では必要ないと思います。

・距離係数

 距離係数は1:1と12:1の2種類に分かれます。距離と範囲が同じとなる1:1では遠距離での測定ができないので注意が必要です。

 例えば、距離係数が12:1の商品では120㎝の距離に対して直径10㎝の範囲を測定することになり、離れた距離からスポット的な対象物の温度測定ができます。

 12:1の殆どの商品にはレーザーマーカー機能が搭載されており、距離が離れてもどこの測定をしているのかわかるようになっています。

・放射率

 物質の放射する赤外線や可視光線は放射率が決まっており、殆どの物は放射率0.95で測定可能です。

 ただし、光沢のある金属の表面などは放射率が低いため、同じ係数で測定すると誤差が大きくなってしまいます。

 そのため、金属など、放射率の低い対象物の測定もしたい場合は、放射率の設定を変更できる商品を選びます。

・測定精度

 ホビー用途では、それほど高い精度は要求されないため、測定精度は±2.5℃程度の商品が殆どです。

 より高精度な測定を要求する場合は、センサーメーカーや計測機器専門メーカーの発売する工業用の測定器など、一桁上の高精度測定器があります。

 但し、測定精度と共に価格も高くなるので注意が必要です。

【シンワ測定 放射温度計B レーザーポイント機能付き 73010】

シンワ測定 放射温度計B レーザーポイント機能付き 73010

[商品スペック]
サイズ:185×46×143mm
温度測定範囲:-60~500℃
電源:単4アルカリ電池×2本、電池寿命 連続使用14時間
出力:1mW以内(JISクラス2)
使用温度:0~50度
測定精度:プラスマイナス2%またはプラスマイナス2度(数値の高い方を適応)
距離係数:距離(D):測定サイズ直径(S)=12:1
放射率:0.95(固定)
レーザー波長:650nm(平均波長)

シンワ測定は新潟県三条市に本社のある測定機器メーカーですが、曲尺や直尺など、金属製のスケールやノギスやマイクロメーターなどの寸法測定機器で有名な精密測定機器メーカーです。

測定できる温度範囲が、マイナス60℃から500℃までと、とても広いので、液体や食材、金属表面など日常生活からアウトドア、金属を取り扱うお仕事での利用など、様々なシーンで活用できます。

測定箇所がわかるレーザーポイント機能が搭載されているので、どこの温度を測定しているかが視覚的に判ります。

距離係数が12:1と、測定箇所のスポット径が小さいので、どの部分の温度を測定しているかわかるレーザーポイント機能はありがたいところです。

【エーアンドデイ 防水型放射温度計 AD-5617WP】

エーアンドデイ 防水型放射温度計 AD-5617WP

[商品スペック]
サイズ:幅18×奥行82×高さ18mm
本体重量:21g(電池含む)
温度測定範囲:-33~180℃
電源:LR44形ボタン電池×2個、電池寿命約30時間(連続使用時)
測定精度:プラスマイナス2.5%またはプラスマイナス2.5度(数値の高い方を適応)
距離係数:距離(D):測定範囲(S)=1:1
放射率:0.95(固定)

計量・計測機器、医療機器などを製造販売するエーアンドデイの放射温度計、温度範囲が最大180℃までとやや狭い気がしますが、アウトドアシーンなどで使うには問題なさそう。

ボタン電池を採用して、とてもコンパクトなボディとなっているので、携帯性がよく、防水性能もあるので海釣りや渓流釣りの水温測定器としても人気があります。

エーアンドデイ 防水型放射温度計 AD-5617WP

測定範囲のスポット径が距離と同じなので、対象物から離れてしまうと、誤差が大きくなり、どこを計っているのかわからなくなります。

エーアンドデイ 防水型放射温度計 AD-5617WP

距離係数が1:1の放射温度計では、非接触で測定できますが、なるべく対象物に近づけて、精度よく計りたいものです。

【オーム電機 赤外線温度計TN006】

オーム電機 赤外線温度計TN006

[商品スペック]
サイズ:長さ83.26×幅19.05×厚さ19.05mm
本体重量:17g(電池含む)
温度測定範囲:-33~180℃
電源:LR44形ボタン電池×2個、電池寿命約15~20時間(連続使用時)
測定精度:プラスマイナス2.5%またはプラスマイナス2.5度(数値の高い方を適応)
距離係数:距離(D):測定範囲(S)=1:1
放射率:0.95(固定)

オーム電機といえば、ジェネリック家電メーカーというイメージをお持ちの人も多いのではないかと思いますが、この商品もまさにそのような、最低限の機能を備えた過不足のないリーズナブルな商品です。

商品スペック的には、先程のエーアンドデイの商品とほぼ同じ内容で、スタイルも同じようなハンディタイプの小さくて軽い「赤外線温度計」です。

距離係数が1:1となっているので、非接触とはいえ近距離で測定したほうが精度が上がり、液体や固体の食品、ペットの体温や光沢のない固体などの測定に向いています。

このほかにも、約0.5秒で測定可能、測定ボタンを押すだけの簡単操作、電源は約15秒後に自動オフ、など、ホビー感覚で使える低価格なオーム電機の商品らしい「放射温度計」です。

【サンワダイレクト 放射温度計 レーザーマーカー付き 400-TST430】

サンワダイレクト 放射温度計 レーザーマーカー付き 400-TST430

[商品スペック]
サイズ:W47.6×D114.3×H153mm
本体重量:約177g(電池含む)
温度測定範囲:-38~365℃
電源:単4形乾電池、連続使用時間約14時間
測定精度:プラスマイナス2.5%またはプラスマイナス2.5度(数値の高い方を適応)
距離係数:距離(D):測定範囲(S)=12:1(120㎝の距離に対して直径10㎝の範囲を測定)
放射率:0.95/0.70(初期設定は0.95)

サンワダイレクトといえば、パソコンなどの周辺機器や関連商品のメーカーというイメージがありますが、温度計や騒音計・照度計などの測定器も販売しているんですね。

サンワダイレクトの「放射温度計」は、ガンタイプでレーザーマーカー機能付きです、距離係数が12:1なので、ある程度離れた場所からでも、小さな面積の温度を測定することができます。

サンワダイレクト 放射温度計 レーザーマーカー付き 400-TST430

温度測定範囲が-38℃~365℃と広く、放射率の設定も2種類から選ぶことができるので、放射率の低い、光沢のある金属の表面温度も測定することができます。

サンワダイレクト 放射温度計 レーザーマーカー付き 400-TST430

画面も見やすい、大型液晶表示で、バックライトのオンオフもできるので、夜間でもしっかりと測定値を視認することができます。

サンワダイレクト 放射温度計 レーザーマーカー付き 400-TST430

レーザーマーカー機能の付いたガンタイプで簡単操作、放射率の選択ができるサンワダイレクトの「放射温度計」です。

非接触でモノの温度が測定できれば、通常の温度計では測定できなかった、触れることができないモノの温度を測定できるようになります。

例えばお料理で食材の温度を知りたいとき、非接触であれば衛生的で安心です。

固形物の表面温度を知りたいときなどは、接触式の温度計では正確に計ることができません。

高温状態の金属表面の温度を知りたいときも非接触の放射温度計ならば、±2.5%程度の許容範囲の誤差で計ることができます。

「放射温度計」を活用して、料理や趣味などの日常生活から子供の自由研究まで、温度を計りまくって知的好奇心を満たしましょう。

※通販サイトで販売している、あまりにも低価格で高スペックな近隣諸国の商品のなかには、粗悪品も存在しますのでくれぐれも注意しましょう。

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